世界の水不足状況

地球の表面は3分の2が水でおおわれています。その大部分は海水であり、淡水はわずか2.5%ほどです。凍っていない淡水の殆どは地下水であり、それを除くと河川、湖沼など利用しやすい状態で存在する水は約0.01%(10万㎢)しかありません。このたった約0.01%の水でさえ水質汚染にさらされたり気候変動により干ばつや水害が世界中で多発しており貴重な水資源が減っています。

深刻な水不足に陥っている国

インドでは、人口増加と農業用水の過剰使用が原因で水不足が深刻化しています。特にパンジャブやハリヤーナー州などの農業地帯では地下水が急激に枯渇し、井戸が干上がる地域も増えています。チェンナイなどの都市部では、年間降水量が偏在しており、断水が頻発しています。これにより住民は飲み水の確保が難しく、衛生状態が悪化しています。地下水の利用依存が強いため、持続可能な水資源管理が求められています。

南アフリカのケープタウンは2018年、「デイ・ゼロ」(水道が完全に停止する日)が現実的に迫り、水不足が大きな問題となりました。長期間の干ばつとインフラの老朽化が原因で、水の供給は極端に制限され、1人当たりの使用量を厳しく制限する措置が取られました。農業や観光業にも深刻な影響を及ぼし、地域経済全体が打撃を受けました。気候変動が水供給にさらに不安定さをもたらしています。

イエメンでは内戦が続く中、インフラが破壊され、水不足が深刻化しています。多くの地域で清潔な水へのアクセスが制限されており、特にアデンやサヌアなどの都市部では、住民が汚染された水を使用せざるを得ない状況に陥っています。これにより、コレラやその他の水系感染症が蔓延し、健康被害が拡大しています。持続的な干ばつも水源に圧力をかけ、国際的な支援が不可欠な状況です。

イランでは、過去数十年にわたる干ばつと水資源管理の失敗により、地下水の過剰な汲み上げや、ザーヤンダ川の干上がりなど深刻な状況が続いています。農業用水の無計画な利用とダム建設の失敗により、農村部の住民は収穫の減少や飲み水不足に苦しんでいます。これにより、一部の地域では住民が水を求めて都市部に移住せざるを得なくなっており、社会的な不安も高まっています。

サウジアラビアは乾燥した砂漠気候で、自然水資源が乏しいため、地下水の大部分が枯渇しています。国は海水淡水化プラントを導入して水供給を賄っていますが、都市部や農業用の水需要を満たすには限界があります。エネルギー消費の増加も問題を悪化させており、リヤドやジッダでは定期的な水供給の制限が行われています。農業部門では水不足が生産性の低下を引き起こし、輸入依存度が高まっています。

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